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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

月の上で、身体が自由にうごくようにと、この宇宙服の重さがはじめからきめられてあるんだ。これでいいのだよ」

艇長のいうことは、三郎には、はっきりわかりかねたが、心配のことだけは、よくわかったので安心した。

その艇長は、腕時計をちょっと見て、それからまた別な号令をかけた。

「窓を開け!」

すると信号員が、窓を開けと、号令をくりかえした。

窓が開くのだ。

ごとごとごとと、妙な音がきこえたと思ったら、急にあたりがしずかになった。それまでにきこえていたエンジンのひびきも、司令塔内の話ごえも、みな急に消えてしまった。なんだか気がとおくなりそうであった。三郎はあわてて、あたりをきょろきょろ見まわした。

それと気がついたのであろう、艇長は三郎の腕を、ぎゅっとつかんでくれた。

「あ、艇長……」

と、三郎は叫んだ。がそのこえは、いつものこえとはちがって、たよりなかった。

「おい、風間艇夫。おどろいちゃいけないね。お前も、日本少年じゃないか。しっかりしろ」

艇長のこえが、三郎の耳もとで、がんがんとひびいた。

三郎は、艇長のこえに、元気をとりもどした。

「すみません、すみません」