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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

その後には、高級艇員たちがつきしたがった。

三郎は、あわてて、皆の間をかけぬけると、艇長のすぐ後に追いついた。

せまい通路をぬけると、出入口がひらいていた。艇長は、ゆうゆうとはしごを下りていく。三郎は、それにつづいた。

はしごを下りきって、三郎は、こわごわ岩原に足を下ろした。

ごつごつした、赤黒い岩原であったが、その上を歩いてみると、思いの外、足ざわりはわるくなかった。たしかに岩の上であるのに、畳の上を歩いているような感じであった。

「おお、このへんに足場をたてるんだな」

艇長は、はや修理のことについて、命令をだしていた。

三郎は、月の大地に立って、はるばるここまで自分たちをはこんでくれた噴行艇の巨体を見上げた。

艇は、うつくしく銀色にかがやいていたが、艇長の指している附近の外廓だけが、すこし焼けたように色がかわっていた。

艇の背中から、宇宙服を着た艇員が四五人、顔を出した。背中からも出てきたのである。

出てきたのは、艇員ばかりではなかった。やがて大きな起重機の鉄桁が、にゅっとあらわれた。

そのころ、噴行艇の横腹には、いくつもの大きな出入口がひらき、そこから、足場用の丸太がたくさん、えいさえいさと引張り出された。