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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页
「やあ、三郎。月の世界って、殺風景だね。まるで墓場みたいじゃないか」
「それはそうさ。生物一ぴきいないところだからね」
「しかし、なにかめずらしいものがありそうなものだね。二人で、そのへんを、ぶらぶらしてみないか」
「ああ、いいよ。いまのうちに、ちょっと歩いてくるか」
「さあ、いこう。あそこに見えるすこし高い丘のうえまでいってみよう」
二人は歩きだした。すると、いやにぴょんぴょんと、三段とびをしているように歩けるのであった。
「どうもへんだね。地球の上の歩き心地と、ぜんぜんちがうね」
「これはおもしろいや。歩いているつもりだけれど、ふわりふわりと、とんでいるような感じだね」
二人は、おもしろがって歩いていった。
そのうちに、どうしたわけか、木曾少年がぴったりと足をとどめた。前かがみになって、下をみているのであった。
「どうした、クマちゃん」
三郎は、木曾少年のところへ引きかえした。すると木曾は、岩の上から、そこに落ちていた何かをひろいあげ、目を丸くしている。
「これはなんだろう。ねえ三郎」
木曾のさしだしたものを三郎が見ると、それは缶詰の空き缶のようなものであった。