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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页
しかし今迄の報告では、月世界は昔のとおりの無人の境地だと書いて居りました。もし偵察者213の報告が正しいものとすれば、容易ならぬことであります」
「そうか。早くアシビキ号の辻中佐を呼びだしてもらいたいものじゃ。二名の日本人が、火星人につかまえられたというが、どうしてつかまえられたものじゃろうか。一体、そいつは誰と誰なのか、それも早く知りたいものじゃな」
「は、ごもっともです」
「もし火星人と戦いを始めるようなことになれば、こっちは捕虜になっている者が二人もあるわけだから、相当こっちは不利じゃね」
「は、さようでございます」
「辻中佐の豪胆なることについては、わしも知らないわけではないが、そういう不利な態勢でもって、思いがけなく火星人と月世界の上で戦うのでは、ずいぶんとやりにくかろう」
司令は、辻中佐のため、かなり心をいためているようすである。
ああ火星人!
火星人が、月世界の上で二名の日本人を捕虜にしたといっているが、そうすると、その日本人というのは、風間三郎少年と、その仲よしの木曾九万一少年とのことではあるまいか。
多分それにちがいはなかろう。
すると、二少年をとりかこんでいるあの甲虫ともペンギン鳥ともつかない怪物こそ、これぞ外ならぬ火星人なのだ!