轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页

青空文庫

私は、紙の古さに疑念をいだいていたのです。でも、私の目には、真疑の判断はつけかねました」

「すると、安彦氏のニセモノを仕立てて、それを殺したのはなぜでしょう。死んだ人間を殺す必要はない筈ですからね。生きかえらせて、又、殺す、ずいぶんヤッカイな手数でもあれば、危険な仕事でもありますよ」

「その理由がわかると、犯人が分るのではないでしょうか」

「なるほど」

「私はこうも思いました。昭和十七年の犯人を分らせるためのカラクリ」

大矢警部はちょッと驚いて考えこんだ。

「ハテ、それは、なぜでしょう」

「復員の安彦兄さんをニセモノと知っているのは陰の作者だけですから、昭和十七年の犯人は安彦兄さんをホンモノと思って、どうしても殺さなければなりません。なぜなら、犯行を見られていることを知りましたから。こうして、忘れられた犯人は、新しい殺人犯として捜査されます」

「なるほど、面白い見方です。しかし、それでは、なぜ起久子さんが殺されたのでしょう」

美津子はうつむいた。長く考えていたが、顔をあげると、首を横にふって、分らないという表現に代えた。

しかし美津子は何かを疑っているに違いない。