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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
「相手の男を御存じですか」
「定夫兄さん! たぶん」
大矢警部はうなずいて、
「定夫君はスミ子にダタイをすすめているのです。そのことで久七と定夫君と、はげしい口論がありましたよ」
美津子はうなずいた。
「定夫兄さんは冷酷無慙な人なんです。女の人格や貞操など、問題にするような人ではありません。ダタイをすすめるぐらいのことは、あの人としては人間的なことに属していますのよ」
「御当家の殺人事件は、いつも男の方々にアリバイがないので困りますよ。お嬢さん以外に打ち明けて下さる人がないので、おききしますが、当家にピストルはなかったでしょうか」
「たぶん有ったと思いますが。私が幼いころ、たしか父がピストルを所持していました。しかし近年は見かけたことがありません」
「ありがとう。感謝しますよ。それで一つの事実がハッキリしました。現在、当家には、どこにもピストルがありません。イヤ、どうも、長いこと、失礼しました」
そのとき、巨勢博士が美津子にきいた。
「お嬢さんは均勢のとれた美しいお姿ですね。何かスポーツをなさいましたか」
「ええ、バレーの選手でした。水泳と、スキーも好きです」
「なるほど。