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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
「まだ正式にはありませんが、ブロバリン、カルモチン、バルビタール、そのへんのごく有りふれた薬らしいそうです」
と、大矢主任が口添えした。
「そうそう。私もそう思いましたよ。砂糖壺にも、二種類ぐらいの催眠薬がはいっていたのじゃないかな。今、仰有った薬だったら、みんな味がないし、むしろ、ちょいと甘味があるぐらいです」
「その催眠薬で、何かお気付きですか」
と、巨勢博士。
「イヤ、それがね。みんな極めて通俗的な催眠薬だということですよ。あの程度の催眠薬なら、むろん劇薬ですが、案外カンタンに薬屋で売るかも知れません。昔はひところカルモチン自殺が流行しましたが、みなさん警察の方だから御承知かも知れませんが、先ず、生きかえりますね。もっとも、これは錠剤の場合です。一応昏睡すると、消化力がなくなるのですかね。一山のんでも、あとは消化していないから、胃洗滌すると、原形で一山吐きだしますよ」
「粉末の場合はどうですか」
「粉末は、ダメかも知れません。これは、死ぬ方が多いかな。私がね、長い医師生活で、カルモチン自殺に成功したのを手がけたのは一例だけです。これは立派に死んでいました。