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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
五分以上も化石のように考えこんでいたが、三村刑事をよんで、
「どうも、面倒なことになったよ。行きづまッていたところだから、新事件の発生にホッと一息、一道の光明がさすかと思ったが、益々分らなくなるばかりさ。しかしともかく、今夜の食事の終るまでいなかった滝沢だけは容疑をまぬがれているな」
「まア、そうなりますな」
「じゃア、重吉をよんできてくれ」
と、三村に命じた。
重吉が現れた。彼れの現れるところ、かならず驚愕あり。この例にもれず、劈頭の応答から、ハランを起してしまったのである。
「ヤ、ねむいところ、相すまんな。今日、フグをつくったのは、何時ごろだい」
「何時ごろって、きまってまさア。食べる前さ。時間がたッちゃア、たべられないよ。しかし、私は仕事がテイネイだから、午メシを終ると、もうポツポツかかっていたよ。特にマコの血管をぬくには三時間も時間をかけるからね。自分のイノチが惜しいせいかね。これぐらい時間をかけてテイネイにやれば、マコを食っても、あたりませんさね。フグをつくる時は、順序も時間も、きまっているよ。昨日も、そうさ」
「エッ。昨日だって」
「昨日さ。どうかしましたかい。