轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
「オイ、一刻を争うぜ。今夜、殺られないとも限るものか」
気違いじみて殺気だった定夫に対して、向い立つ美津子の態度は、冷静に、堂々として、まことに美しく冴えるような目ざましさだった。
しばらくの沈黙の後、美津子は、キッパリといいきった。
「定夫兄さん。変なこと仰有るものじゃア、ないわよ。戦争中に大兄さんと坊やを殺した犯人は安彦兄さんではありません。今度、もしもウチに殺人事件が起ったとすれば、安彦兄さんは犯人ではなく、むしろ、被害者の筈です。私は、それが、怖いのよ」
「バカな。安彦兄さんが殺ったんだ。一週間目に運よく赤紙がきた。そして死んだと思ったら、丹下左膳になって、生きて帰ってきたんだ。だいたい考えて見りゃ分るじゃないか。安彦兄さんの出征中は、家には、何事もなかったじゃないか。してみりゃ、安彦兄さんでなくって、誰が人を殺すものか。丹下左膳が被害者になるなんて、バカな。ねぼけたことを言うもんじゃないぜ」
「いゝえ、ねぼけているのか、とぼけているのか知らないけど、それは定夫兄さんのことよ。安彦兄さんは、必ず殺されてしまいます」
「なぜだ。そして、誰が殺すのだ」