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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
そのとき、二十三時三十六分であった。大矢捜査主任は各々部署を定めて、刑事たちを各室へ走らせ、蛸の重吉を一室に足どめを命じた。
重吉はニヤリとして、お尻へ手を廻したと思うと、ブッと一発屁をつかんで、若い巡査の鼻先へくれてやった。
「アッハッハ。まアさ。栄養がよくなるよ。蛸の屁なんて、ほかではメッタにかげないよ」
カラカラ笑いながら、もう一つブッと放して、別室へ連れ去られた。
「滝沢三次郎は居る筈の会社にいないそうだが、探しに誰かだしたまえ。夜釣りの久七も探しに舟をだして夜のうちに連行してくれたまえ。それから、駅へ行った者から定夫の報告がくる筈だが、これも明朝までに足どりを辿って連行して貰いたいね。非番の者に非常召集だよ」
大矢捜査主任は注意を与えた。
三名の巡査が美津子をかゝえて、外の自動車へ運び去った。懐中電燈をぶらさげて現れた警察医が、
「催眠薬を多量に服用しているのですよ。すぐ病院へ運んで処置をして、間に合ってくれゝばよいが、手おくれになるかも知れません」
「安彦は死んでいるのですね」
「これは死後三時間ぐらい経過しているかも知れません。口のまわりに汚物をちょッと吐いていますが、食後まもなく殺されたようです。