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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
解剖すれば、ハッキリしたことが分ります」
「犯行は起久子以前ですね」
「一時間ぐらい早く殺されているように見受けられます」
「それでは、倉田由之、由子をみていたゞきましょう。こっちは美津子ほどひどくはない様子だが」
大矢捜査主任を先頭に、私たちは由之の部屋へはいった。広い洋室で、居間と寝室と兼ねている部屋である。ダブルベッドに由之と同衾していた由子だけ、起き上って、肱掛椅子にかけていた。由之はフトンをかぶって、まだ、ねむっていた。大きなイビキをかいている。
警察医は由子の瞳孔をしらべた。明らかに散大している。脈搏をしらべて、
「頭が痛くはありませんか」
「重い感じが致します」
「眠りたりないようですね。起きていられますか」
「起きていられないこともありません」
「何時ごろ食事をなさったのですか」
「八時半ごろ終ったように思います。父はすぐ眠りましたし、私も九時の鳩時計をきいた時にはウトウト致しておりました」
警察医は、口を開けさせて調べてから、歩かせてみた。ちょッとフラツクだけであった。
「番茶でもガブ/\飲んで排泄するだけでもよろしいでしょうが、念のため、ブドー糖でもうっておきますかね」