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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
美津子は質問の意味がのみこめなかったらしい。急速の睡魔が襲ってきたのである。それは顔にアリアリ現れていた。
院長は巨勢博士を制した。すると、たちまち、美津子はねむってしまった。
一同は病室をでた。
「まだ当分、明日いっぱい、明後日にかけても、あんなものかも知れません。まだ多量の催眠薬が吸収されていますから、ほんとに醒めきるまでには相当の時間がかゝります。今あなた方が対話なさった時間も、覚醒中というよりは、昏酔中に目をとじている時間と目をあけている時間があって、目をとじている時は夢を見ているし、目をあけている時は現実の対象を見て、それと対話したりしているだけの、つまり、やっぱり昏酔中の時間なのかも知れませんよ」
一同、もの足りない様子だった。
自動車の中で、私は巨勢博士に話しかけた。
「結局、何も得るところがなかったね」
「ハ?」
博士はビックリして、
「イヤ。得るところは、ありました」
「何が?」
私の方がビックリした番である。
「美津子さんは、たしかにココアを二ハイのんでいます」
「あたりまえじゃないか。君はのんでいないと思っていたのかい」
「イイエ。ボクはたゞ美津子さんの訊問によって明かになった事実を申上げているだけですよ。