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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

石工の村は邑外二十町ばかりの先昌里にあった。山の中腹を走る街道の左手遥か下に幾つかの家を匿した村が見える。私たちは道なき道を分けて一途に降りた。遥か向うには雲に霞む山が見える。そこから石を切出してこの村に運ぶのだという。麓には広々と開ける水田が見える。丘の斜面の美しい風景をほしいままにしてこの寒村が休むのである。迷う小路を縫って石工の家を訪ねる。主人は石を掘りに山へ行って不在だという。見れば小さな仕事部屋に幾つかの素材と、二、三の簡素な道具とが散らばっている。それだけだが家の椽には彼が刻んだ素晴らしい角型の火鉢が無造作に使われているではないか。朝鮮の仕事の不思議さがまた繰返る。誰が法を伝え誰が形を創むのか。醜いものを誤っても作ることがないとはどういうわけか。だが栄えた時代は既に過ぎてしまった。今はわずかに二人の石工より残っていない。私たちは手帳に梁海珠、崔万栄の名を書きとめた。こんな物静かな小さな村が、あの数々の素晴らしい石器を遠く都にまで送り出したかと思うと不思議である。誰かこの並びない仕事を守ってやる者はないか。朝鮮でなければ生めない立派な手仕事なのだ。