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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

私たちはおそらくそれが一カ年もかかることを忘れて、多量の注文を熱心に頼んだ。同時に近くの村々から能う限り使いふるした品々を集めることを委託した。(後に郡守から幾箱かの荷が東京にまで届けられた)。私たちは遠いこの地に来たことをどんなに悦んだか。多くの想いを後に残して、この日宿る南原へ指した。この古い都は幾多の建物で昔を語りながら吾々を迎えた。この夜大きな宿菊水旅館に泊る。

五月十一日。今日は雲峰行の日である。雲峰の村は智異山の背にあって、古来その木器、刳物を以て名がある。あの丸型の重ね鉢を呼んで「雲峰」と言うのは此処に名を得たのである。おそらくはもと仏器に発し、多くが仏僧の手仕事であったのであろう。その山内面において今も仕事が続く。私たちは仕事場を訪ねた。多くは材を松にとると見える。幾本かの大きな木が庭に横って仕事を待っている。それを一尺ほどに切って轆轤にかける。凡て生木である。見ていると松のしぶきが強い香りを立てて吾々の顔を打つではないか。刃物の下からは雫がぽとぽとと滴れる。生木の柔らかさに快い音を立てて刳ってゆく。中途では止めない。そのまま一気に仕上げてしまう。