轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
02 福翁自伝
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 209,912 字 · 402 页
けれども幸に和蘭船は沈みもせずに通たが、ソレがなか/\大騒ぎになって、世の中は益々恐ろしい事になって来た。所でその歳の六月十日に緒方洪庵先生の不幸。その前から江戸に出て来て下谷に居た緒方先生が、急病で大層吐血したと云う急使に、私は実に胆を潰した。その二、三日前に先生の処へ行てチャント様子を知て居るのに、急病とは何事であろうと、取るものも取敢えず即刻宅を駈出して、その時分には人力車も何もありはしないから、新銭座から下谷まで駈詰で緒方の内に飛込んだ所が、もう縡切れて仕舞た跡。是れはマア如何したら宜かろうかと丸で夢を見たような訳け。道の近い門人共は疾く先に来て、後から来る者も多い。三十人も五十人も詰掛けて、外に用事もなし、今夜は先ずお通夜として皆起きて居る。所が狭い家だから大勢坐る処もないような次第で、その時は恐ろしい暑い時節で、坐敷から玄関から台所まで一杯人が詰て、私は夜半玄関の敷台の処に腰を掛けて居たら、その時に村田蔵六(後に大村益次郎)が私の隣に来て居たから、「オイ村田君――君は何時長州から帰て来たか。「この間帰た。「ドウダエ馬関では大変な事を遣たじゃないか。