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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1925(大正14)年7月30日~11月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,960 字 · 247 页

青空文庫

」

「まあ。もうごほうびのことを考えていらっしゃるの。」

京子は、微笑をふくんだ上眼で今井をにらんだ。

「ずいぶん功利的な方ですわね。」

「これは参りました。すぐ本心を現してしまいましたかな。」

「いいわ。ごほうび上げますわ。」

「きっとですか。」

「ええ、きっと。」

「何です。ごほうびの品は。」

「考えておきますわ。それとも、何かお望みがあって。」

「望みはいろいろありますね。」

「あまり、欲ばっても駄目ですよ。」

「おや。おや。」

「ねぇ、今井さん。」

京子は、いいよどんだ。

「何です。」

「あのね。倭文子さんも、早く結婚なさりたいのよ。あれでわたしの家にいるのは、かなり気がねしていらっしゃるのよ。」

「なるほどね。それに、あなたがいじめるだろうし。」

「まあ。わたしいじめたりなんかしませんわ。」

「いや冗談です。失礼。」

「だから、倭文子さんはすぐにでも結婚なさりたいのよ。」

「じゃ何も問題はないじゃありませんか。宮田君は、十分乗気だし。」

「でもね、あの方たいへんな内気な方でしょう。」

「あなたと、つき合せるとちょうどいいんですね。」

「まあ、わたしそんなにお転婆に見えまして。これから慎みますわ。