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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1925(大正14)年7月30日~11月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,960 字 · 247 页
精神的品位と教養、それがなければ泥人形ですね。」
「そんなことをおっしゃる資格がおありになるの?」
そういって、ひやかしたいくすぐったさを、京子は微笑でこらえていた。
「そこへ行くと、あなたや山内のお嬢さんの美しさは……」
「およしなさいませ。倭文子さんを賞めるのにわたしを引き合いに出すのは。」
「いや、私が賞めたいのは、あなたです。」
「どうもありがとうございます。」
そういって、京子は丁寧に頭を下げた。
「いや、あなたは才気縦横というところがおありになりますね。あなたのようなお嬢さんが……」
「今井さん。よっぽど酔っていらっしゃいますね。」
「いや、本気です。現代の婦人美は、玄人からすっかり素人に移りましたね。今の十七八歳から二十歳までのお嬢さんの美しさは……」
「今井さん、わたしは二十一なのよ。」
「これは失礼いたしました。この頃のお嬢さんは、二十四五でも、十七八にしか見えません。僕は、本当に美しいお嬢さんと……」
自動車が大きいカーブをした。今井は、その動揺を利用するように、京子のからだに、しなだれかかった。京子は、眉をひそめて、身体をぐっと遠ざけた。
「いや、僕は、こんなうれしい晩餐は初めてです。