轻松读懂日语经典作品
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がん
雁
壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页
そのうち茶が来たので、親子はきのうもおとついも一しょにいたもののように、取留のない話をしていた。爺いさんがふと何か言いにくい事を言うように、こう云った。
「どうだい、工合は。檀那は折々お出になるかい」
「ええ」とお玉は云ったぎり、ちょいと返事にまごついた。末造の来るのは折々どころではない。毎晩顔を出さないことはない。これがよめに往ったので、折合が好いかと問われたのなら、大層好いから安心して下さいと、晴れ晴れと返事が出来るのだろう。それがこうした身の上で見れば、どうも檀那が毎晩お出になるとは、気が咎めて言いにくい。お玉は暫く考えて、「まあ、好い工合のようですから、お父っさん、お案じなさらなくっても好ござんすわ」と云った。
「そんなら好いが」と爺いさんは云ったが、娘の答にどこやら物足らぬ所のあるのを感じた。問う人も、答える人も無意識に含糊の態をなして物を言うようになったのである。これまで何事も打ち明け合って、お互の間に秘密と云うものを持っていたことのない二人が、厭でも秘密のあるらしい、他人行儀の挨拶をしなくてはならなくなったのである。前に悪い壻を取って騙された時なんぞは、近所の人に面目ないとは思っても、親子共胸の底には曲彼に在りと云う心持があったので、互に話をし合うには、少しも遠慮はしなかった。