轻松读懂日语经典作品
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がん
雁
壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页
馴染のないお玉には、なんと云ったか聞き取れない。髪を櫛巻にした小さい頭の下に太った顔の附いているのが、いかにも不釣合である。そしてその顔が不遠慮に、さも驚いたように、お玉を目守っている。
「早くお膳を下げて、お茶を入れ替えて来るのだ。あの棚にある青い分のお茶だ」爺いさんはこう云って、膳を前へ衝き出した。女中は膳を持って勝手へ這入った。
「あら。好いお茶なんか戴かなくっても好いのだから」
「馬鹿言え。お茶受もあるのだ」爺いさんは起って、押入からブリキの鑵を出して、菓子鉢へ玉子煎餅を盛っている。「これは宝丹のじき裏の内で拵えているのだ。この辺は便利の好い所で、その側の横町には如燕の佃煮もある」
「まあ。あの柳原の寄席へ、お父っさんと聞きに行った時、何か御馳走のお話をして、その旨きこと、己の店の佃煮の如しと云って、みんなを笑わせましたっけね。本当に福福しいお爺いさんね。高座へ出ると、行きなりお尻をくるっとまくって据わるのですもの。わたくし可笑しくって。お父っさんもあんなにお太りなさるようだと好いわ」
「如燕のように太ってたまるものか」と云いながら、爺いさんは煎餅を娘の前へ出した。