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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
春の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,757 字 · 321 页
日本人は赤いのを好むようだが在来の玉子が黄身の赤い故だろう。柵飼にすると黄身の色が白い。放飼にすると赤くなる。牛肉のような餌を遣ると黄身が白くなる。穀物を与えると赤くなる。黄身の色の白と赤とは滋養分に関係はない」主人「それでは皮の白いのが黄身も白くって赤いのが赤い黄身だという訳かね」中川「イヤそうも極まらん。幾分かその傾はあるようだけれども一定しておらん」主人「それでは玉子の雌雄をどうして別けるね、俗に細長いのが雄で円いのが雌だというがそうかね」中川「イヤそれは俗説で長いのと円いのは卵道の構造によるのだ。玉子の雌雄を知る事が出来たら母鶏に抱かせたり孵卵器へ納れたりする時非常の利益だけれども今の知識ではまだその鑑別法が発見してない。亜米利加では大金を懸賞してその鑑別法を募っている。もしも名法を発見したら亜米利加から十余万弗の懸賞金が取れるぜ」主人「では毎日その鑑別法を研究しようか」
○鶏卵の胎盤は軽きもの故受精せざる時は必ず浮いて黄身の上部にあり。受精してカラザに繋がるれば上部へ浮かずして側面にある事多し。
○白身は鳥の身体となり、黄身は食物となる。孵化後の雛も一両日間は肛門の内に黄身を納れあるなり。