轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まじゅつし

魔術師

江戸川 乱歩

「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页

青空文庫

読者諸君、この奇怪事を何と解釈すればよいのであろうか。寝室は釘づけにした箱の様に密閉されていた。その中へ蛇が這い入ったのさえ不思議であるのに、蛇の何百倍も容積のある一人の人間が、自由に出入りしたのだ。手品の箱なら種仕掛けもあろう。だが、この部屋には絶対に仕掛けのないことが分っている。つまり、全然不可能なことが行われたのだ。

一郎も二郎も妙子も、父を失った悲歎に加うるに、この不可解事を見せつけられ、まるで思考力を喪失したかの如く、茫然として為すすべを知らなかった。

兎も角も警察に知らせなければならぬ。一郎は電話室へ走って行って警視庁と明智のアパートへこのことを報じた。

やがて、波越警部と明智小五郎がやって来た。彼等は同じ事件で、同じ玉村家で再び顔を合せた。

綿密此上もない調査がくり返された。併し、何の新発見もない。

「明智さん。あなたのご意見は? 残念ながら、僕には、まるで見当がつきません」

波越警部は正直に打開ける外はなかった。

「そうです。不可解と云えば不可解です」明智は流石にいつものニコニコ顔ではなかった。「密閉されたる部屋に人間が出入り出来ないのは、云うまでもありません。