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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁

青空文庫

といったようなことをにこにこ笑いながらいいました。――そうしたことをいわれるのが、わたしに、どんなに間が悪かったでしょう。

当時、近所のくせに、やっぱり、小川学校へ行かず、馬道まで通ったのに、砂糖屋の芳ちゃんという子がありました。級は二年ほど違いましたが、毎朝、一しょに、誘い合って行きました。と、わたしが高等三年になったとき、もう一人、茶屋町の菓子屋の息子が急に小川から転校して来て、わたしの級に入りました。まんざら知らない顔でもなかったので、はじめに来たときふと口をきいたのが縁になり、ずるずるに友だちになり、一時は、朝、わざわざ廻りみちをして誘いに寄ったりしました。

柄の小さい、口の軽い子で、始終戯談ばかりいっていました。調子がいいので、すぐ、だれにも馴れてしまいました。学科のほうは、三年を二度やるにしては出来なさすぎましたが、話をさせるとそれはうまいものでした。

雪がふったり、雨がふったりして体操が出来ないと、うけもちの先生が教場へ来て、代る代るに、一人ずつ、黒板のまえに出ていろいろ話をすることになっていました。録ちゃん――そういう名まえでした――は、転校して来てまだ間もないとき、何か話してみろといわれて、躊躇するところなく落語を一つやりました。