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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
八
――この人は公園の写真やさんである。
八
つぎに浅草区長、つぎに浅草区会議長、つぎに浅草小学校長、つぎに浅草小学校出身者代表、つぎに奨学会々長、つぎに同窓会幹事長……そうした人たちの演説だの祝辞だのがあった。
が、このなかで、すこしでも実感らしいものの感じられたのは出身者代表の安藤正純代議士の演説だけだった。あとはすべて、お座なりの、形式だけの、味もそッけもないものばかりだった。とりわけ最近まで吉原の大きな貸座敷の主人だったという区会議長の祝辞の、空虚な凡劣な文句の連続と、奨学会々長の神谷氏……神谷バーのかの有名な神谷伝兵衛氏の演説の、そういっても無感激な、無表情な、とぎれとぎれにしか聞えない小さな声とはいかんなくその情景を「喜劇」化した。勿論、それにはその演壇のうしろにずらりとならんで腰をかけた来賓たちの、行儀のいい、もッともらしい、しかつめらしい顔、顔、顔がその情景をたすけて一層の効果あらしめた。――此奴ァいけない、ひそかにそうわたしはつぶやいたのである。
そのあと記念品贈呈の段になった。奨学会々長は再びテーブルのまえに立った。発起人代表はものものしくその記念品の内容をしるした書附を読みあげた。