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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
五
で、座敷へ通る、芸妓が来る。――その芸妓の柳橋ばなれのしていることはいうをまたない。――そのとき「かァさん」は若旦那のそばへ寄っていった。
「今日出たばかりの新妓があるんですけれど呼んで下さらない?」
芸妓の、君、新妓ってものがありますか?――ええ、先生、伯龍先生?……
ものを知らないってことは無教養ってことだ。臆面がないってことはその無教養を平気で暴露出来る無神経のことだ。聞いたふうってことはその無神経をまた平気で逆用出来る浅墓さのことだ。――待合のかみさん、女中、芸妓、その位なものの簡単な写生一つ出来ないで真打がすさまじい。……その晩、鈴本のおもてへ出ると一しょに声を出してわたしはわらった。
それッきり聴かない。それ以来聴かない。……
「けど、何といったっていまは金語楼の天下ですよ。――三語楼だってこのごろは押されています。」
そういううわさを聞くたんびに寄席の人気の立たないのはあたりまえだ。落語の席のうだつのあがらないのはもッともだと、いつもわたしはそう思った。
五
で、昨夜。
わたしの入って行ったとき、高座に、背広すがたの若い男が両人ならんでいた。