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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
あやめ団子
生れたうち。――田原町の、とくに名けられていない横町の生れたうちに対するわたしの愛着がこれらの作をわたしにえさせた。――「ふゆぞら」も、「盆まえ」も、「さざめ雪」も、「暮れがた」も、「宵の空」も、「ひとりむし」も、「雨空」も、「四月尽」も、そうして「露芝」も、偏えにそれは、大工のうちの切子燈籠の、しずかな、夢のような灯かげにうつし出されたわたしの、悲しい「詩」に外ならないとわたしはいいたい。
(明治四十五年/大正十三年)
あやめ団子
この間、常盤座で「夜明前」を演ったとき、小山内〔薫〕さんの代りに稽古を見に行き、久しぶりに、わたしは、あすこの楽屋のなかをみる機会を得た。
わたしの「たびがらす」という小説を読んで下すった方はごぞんじだろう。――わたしは、十三四の時分、うちへ出入の下廻りの役者に連れられて、よくここの楽屋へ遊びに来たのである。
その時分は、水野好美を大将に、小島文衛、本多小一郎、境若狭、岡本貞次郎、亀井鉄骨、西川秀之助、高松琴哉、そういった「新演劇」時代の……という意味は「新派」以前の傍流的古強者が大勢いた。外には、服部谷川だの、越後源次郎だのいう人気ものがいた。