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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
座敷のきどり、客あつかい。――女中が結城より着ないゆかしさがすべてに行渡っている。つくね、ごまず、やきつけ、やまとあげ、夏ならば、ひやしどり、いつも定っている献立も、どこか、大まかな、徒らに巧緻を弄していないところがいい。――われわれ浅草に住む人間の、外土地の人の前に自信をもって持出すことの出来るのは、このうちと金田とだけである。
金田は、同じ鳥屋ながら、料理は拵えず、鍋で食わせるばかりのうちである。先代の主人は黙阿弥と親交のあった人だったそうだが、そういう人の経営したところだけ、間どりもよし、掃除もつねに行届き、女中も十四五から十七八どまりの、始終襷をかけた、愛想のいい、小気のきいたものばかりを揃えてある。諸事、器用で、手綺麗なのが、われわれには心もちがいい。――使うしなものも、われわれのみたところでは、人形町の玉秀、大根河岸の初音、池の端の鳥栄とともに、きびきびしたいいものを使っている。
ただ、残念なことに、ここのうち、功成り、名とげて、近いうちに商売をやめるといううわさがある。もしそのうわさが真実ならば、われわれは、あったら浅草の名物を一つ失うわけである。