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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
みさのは、鮨を大専にする小料理屋である。芸妓さえ入るうちである。鮨屋の範疇へ入れるのは皮肉かも知れない。
ほんとうの鮨屋としては、三四年まえ商売をやめた馬道のとある露地の中のみさごずしの贅沢さをしばらくいわないとしたら、すし清、金ずし、吉野ずしの三軒が、蓋し、公園いまわりに数え切れないほどある屋台上りの鮨屋の、握りを大きくすることを信条にしている鮨屋のなかの代表的なものであろう。――このうち、清ずしは、以前広小路にあって時めいた初音の職人の経営するところである。みやこずしは、それらのもののことにすると、いささかそこに横題もののかたちを持っている、嘗ては鯖の押鮨を以て聞えた店だそうである。
奥の万盛庵は藪系統の蕎麦をくわせるうちである。だが、池の端の万盛庵は、蕎麦屋というよりも、むしろ、蕎麦を看板にした小料理屋である。山吹も、また、蕎麦というよりも、ここは饂飩を看板にした小料理屋である。
松邑といっても今のものは三四年まえまであったものの謂ではない。以前の松邑は、公園裏の道路改正とともに商売をやめ、今のは、山谷の葉茶屋の主人が、松邑の名を惜むのあまり、半ば道楽にやっているのである。