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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
いい間のふりにそッくり返ってそういうのを聴いたときには、ここまで来ちゃァとてももうこの男もすくえないと思った――なぜといって、そのとき、その聴き手の一番まえにすわっていたのがいまは亡き小山内先生だ。……そのまえで、こむかいにはっきりそういう人みしりをしないことをいったんだから大したもんだ。
が、昨夜は、それ以来はじめて聴いたといっていいのだが、昨夜のかれは、いといんぎんな、いと謙遜なかれだった。決してそッくり返らない落語家だった。で、何といったと思う?
「芸人はドジほどいいようで……」
「俺はいい男だろうというような芸人は青臭くっていけません。」
わたしはわたしの耳をうたがった。おや? と思ってわたしははッきりかれの顔をみ直した。――人の性はやっぱり善だと感じた。……
へんな癇に障るようなことさえいわなければ聴けない落語家じゃァない。昨夜は「親子酒」をはなしたが、まくらの、江戸むきのあきんどやの台所の描写なんぞなかなかしっかりしていた。ただ一ト言ずついうことが多すぎる、それが矢っ張きざだ。たとえばくるみあしの膳の説明だの、箱膳の説明だの、……なぜ、もっと、なんどりとやさしく、ギスつかないでやれないだろう?……芸人、ギスギスすることが一番いけない……