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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
六
その一ト言ずついうことの多いことは本文の下げにも及んだ。「こんなぐるぐるまわる家は入らない」とだけいえばいいものを「こんなぐるぐるまわる家にはあぶなくっていられない」と入らざることをいった。――畢竟、註釈をつけなければ気のすまない、「暗示」のいみじさ美しさを知らない気の毒な芸人だ。
六
つぎに出たのは浪花ぶしの物真似だ。わたしには浪花ぶしは分らない。だからうまいとも不味いともいえない。ただこの雲心坊という男も、眼のみえない芸人特有の、ばさけた、露出症的なところを多分にもった存在であるだけはたしかだ。垢抜けのしないこと、場違いの感じのはッきりしていることにおいてまえの「ユーモリスト」といい取組だ。――それにつけても「末広」のお客のわるくなったことよ……
そのあと金語楼があがった。年をとったのに驚いた。おととしの夏久しぶりでみたときにもそう思わないではなかったが、近くで昨夜しみじみみて、すッかりじじむさく、もっともらしくなったに驚いた。あれじゃァ立派な四十男だ、――が、当年の小金馬をおもうと、まだそんなってことはないはずだ。……若い夫婦ぐらしのところへ幾人もの目見得の女中の来るはなしをした、新作だろう、わたしは始めて聴いた。