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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁

青空文庫

川の上

仲見世

みえている橋は“うまやばし”であります。

遠景の塔は、本所の、被服廠のあとにできた震災記念堂のそれであります。

大正十二年ですから、あれ以来、すでに二十余年の月日がその間にながれました。

それにしても川の上の寂しさ。……いたずらに水が光るばかりの、何という船の通らなさ加減でしょう。

仲見世

昭和十九年の夏、戦争たけなわのとき……といっても東京空襲のはじまらないまえ、わたくしは東京新聞に「樹蔭」という小説を連載しました。そのときも挿画を久保さんに描いてもらいましたが、“第四図”は、その小説の二十六回目のためにできたもので、その回で、わたくしは、つぎのような叙述をしたのであります。

“「そうか、やッぱり……」

とは、

「そうか、やッぱりここも……仲見世も戦争しているのか」

である。……わかり切ったことが……あたりまえすぎるほどあたりまえのことが、いまさらのようにかれの胸にしみた……

が、それにしても、みえも外聞もなく戸をしめて、歯のぬけたように休んでいるところどころの店。……しらじらとかわいた石だたみ。……しかもその摧かれたゆめのはざまを、参詣者だけは、ぞろぞろ群をなしてあるいている。