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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁

青空文庫

……そっくり、そのまんまだったのである……

………………

………………”

東京の空にB29のはじめて飛んで来たのは、昭和十九年の十一月一日だった。だから、これを書いているときは、まだ作者も、この作のなかにでて来る人物のだれも、空襲がどんなに怖いものかということを知らなかったのである。でもしかし、サイパン東京間一二〇〇余浬、サイパン比島間一五〇〇浬で、基地航空兵力の、ともに手のとどく距離になったということが、だれの胸をでも暗くして、空襲必至のかけ声も、もう、いままでのような空念仏でなくなったときだった。……しかもそのときは、まだ、仁王門もあれば、五重の塔もあり、輪蔵もあったのである。……と、こういい来ったとき、仲見世にとって、仁王門を失ったことが、どんなに致命的であったかが、いまさらのように、はっきり、ぼくにわかった。……東に左輔金剛、西に右弼金剛を安置した、あの山門さえ無事であったら、やみやみそう“新仲見世”に、信仰を無視したヨコバンは切らせなかったであろう……

それにしても、焼け残った荒沢不動の、闇市上り……と、土地の人は、矢っ張、穿ったことをいう……の、伝統をもたない店々の闖入のかげに、虐げられた骸をよこたえているそのすがたよ。