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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
四
……ぬれ仏は、遠く、道をへだてて、だまって、冷やかに、そのすがたをみ下ろしている……
四
ところで、ぼくは、ここのところ、ひんぴんと浅草がよいをした。……観音さまの、御遷座記念奉告法要にも行けば、“浅草まつり”の行事の一つの、公園の芸者の組おどりというものもみに行ったし、三社まつりのフィナーレ(と、もらった案内状に書いてあったのである)の、神輿の宮入りもみに行ったのである。そして、あるいは、開帳された御厨子のけんらんさに目をみ張ったり、あるいは、公園の芸者たちの、新橋よりも、赤坂よりも、柳橋よりも、美人の粒の揃っているのに感心したり、あるいは、二の宮、三の宮、一の宮の順で、薄暮、おりからの雨の中を、提燈の火の群にまもられ、しばしば人の波の中に溺れかけつつ帰って来る神輿におもわず拍手を送ったりしたが、それよりも何よりも、ぼくは仲見世を入りかけて、途端に、目のまえに、新装成った浅草寺の大屋根の強い勾配の、晴れた五月の午後の空にみごとなソリをうっているのをみいだしたときの、そのよろこびである……
――救われた……
と、ぼくは、おもわずホッと息をついた。
数日して網野さんに逢ったとき、その屋根の威力について話したあと、