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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁

青空文庫

「三角」である。「野口バア」である。鰻屋の「つるや」である。支那料理の「来々軒」「五十番」である。やや嵩じて「今半」である。「鳥鍋」である。「魚がし料理」である。「常盤」である。「中清」である。――それらは、ただ手がるに、安く、手っとり早く、そうして器用に恰好よく、一人でもよけいに客を引く……出来るだけ短い時間に出来るだけ多くの客をむかえようとする店々である。それ以外の何ものも希望しない店々である。無駄と、手数と、落ちつきと、親しさと、信仰とをもたない店々である。――つまりそれが「新しい浅草」の精神である……

最後までふみとどまった「大盛館」の江川の玉乗、「清遊館」の浪花踊、「野見」の撃剣……それらもついにすがたを消したあとはみたり聞いたりのうえでの「古い浅草」はどこにももう見出せなくなった。(公園のいまの活動写真街に立って十年まえ二十年まえの「電気館」だの「珍世界」だの「加藤鬼月」だの「松井源水」だの「猿茶屋」だのを決してもうわたしは思い出さないのである。「十二階」の記憶さえ日にうすれて来た。無理に思い出した所でそれは感情の「手品」にすぎない)飲んだり食ったりのうえでも、「八百善」