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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
――すがれた菊の鉢のかげにほそぼそと虫の鳴いている夕あかりのなかを、抜けみち伝いに『米久』のまえの広い往来へ出ました――そのまえ、通りすがりに萩野という酒屋のうちの友だちと、石川という比羅屋のうちの友だちとをいつもさそいました。」
「宮戸座の近く」とそういっていえないことはないけれど、その毎晩「夜学」にかよったさき、ほんとうをいうと宮戸座よりもずっともっと手前のとある横町の露地の中にあった。もと浅草学校の先生で、其ころ本所の江東小学校の先生をしていた三木さんという人のところへ通ったのである。江東小学校といえば亡き芥川君のいた学校である。ことによるとだから芥川君もこの先生を知っていたかも知れないと思った。聞いてみようみようとおもいながらいつも忘れてとうとう聞きはぐった、惜しいことをしたと思っている。
一しょにその「夜学」へかよった仲間の萩野という男は第三中学を出たあと京都の高等学校の一部へ入ったが、在学二年にして世を早くした。石川という男は、いまは他姓を名乗り、帝展派の聞えた画かきになっている。
「ほんとうにすればそこから千束町の通りをぐるッと廻らなければならないのを、土地っ子の勝手を知っているままに近みちをして『草津』