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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(七)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 330,262 字 · 662 頁

青空文庫

「法は、なるべく、単純がいい。そして法の要は、人の嘆きがなくなることだ。天下よく治まり、怨敵も不安をなくし、みな嘆きのない人の世となることを、立法の骨子、政治の主眼として、起草してくれい」

と、とくに言ったという。

彼は、頼朝を慕ったが、頼朝の厳罰主義はとらず、これまでの怨敵も、なるべく助けよという主旨を取った。

一例でいえば。

元弘いらい、敗者の側になって、土地を没収された俄か浪人は、たいへんな数である。野望の謀反や悪行のすえ亡んだ主家はぜひもないが、その下に使われていた被官や家来の小領地は、どしどし、元の所有者へ返してやれと、尊氏はいう。

また、式目の中には、“点定”という一条がある。

これは、庶民がやっと建てた家を、官吏どもが、税金の未納や、ささいな違法をたてに、すぐ“検封”という処分に出たり、ぶち壊して追い立てるなどの苛烈な官権をいうものだったが、尊氏はこれも、貧民いじめの悪政として、かたく禁じた。

無尽(金融)を興せ。土倉(質屋)を早く再開させろ。そして訴訟はすべて、貧しい庶民の訴えから先に取上げてやれ。――などという制も、こんどの政令の特徴であった。