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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁
しかしその時、荒法師玄長のひと泡吹かしてやろうと言うのはそれであるのか、ドンドンとけたたましく非常太鼓を打ち鳴らしながら、表の闇に対って叫ぶ声が聞かれました。
「霊場を荒す狼藉者が闖入じゃッ。末院の御坊達お山警備の同心衆! お出合い召されいッ、お出合い召されいッ」
同時に、あちらから、こちらから霊場聖地の、夜半に近い静寂を破って、ドウドウいんいんと非常の太鼓が非常の太鼓につづいて鳴りひびいたかと思われるや、けたたましく叫び合ってどやどやと足音荒く殺到する気勢が伝わりました。
だが退屈男の自若ぶりというものはたとえようがない。
「わははは、人足を狩り出して御見送り下さるとは忝けない。それもまた近頃ずんと面白かろうぞ」
不敵に言いすてながら二人をうしろに、女を荷物にしたままで、急がず騒がず総門目ざしました――途端!
「あれじゃ! あれじゃ!」
「搦めとれッ。搦めとれッ」
口々にわめき立てながら、行く手に殺到して来たのは僧兵もどきの二三百人と、身ごしらえ厳重なお山同心の一隊です。
「ほほう、揃うてお見送りか、夜中大儀々々」
少しあの向う傷の事を考えればよいのに、さッと恐れ気もなく行く手を塞いだのは八九名。