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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁
三
篝火を焚いたり、鬨の声を挙げなば引ッ捕えられぬやも知れぬゆえ、鳴りを鎮めていなくばなりませんぞ。――御仁。旅の御仁!」
奇怪から奇怪につづく奇怪に、いぶかしみながら佇んでいる退屈男のところへ歩みよると、老神主沼田正守は言葉も鄭重に誘いました。
「貴殿の胆力に惚れてのことじゃ。お力を借りたい一儀がおじゃる。あちらへお越し召さらぬか」
「ほほう、ちと急に雲行がまた変りましたな。借り手がござらば安い高いを申さずにお用立て致すこの傷じゃ。ましてや旗本ゆえに恨みがあると聞いてはすておけぬ。いかにも参りましょうぞ。どこへなと御案内さッしゃい」
導いていったところは社務所の中でした。
三
しかし、この社務所が只の社務所ではないのです。部屋一杯に和漢の書物が所構わず積んであって、その上に骨がある。馬の骨、鹿の角、人の骨、おシャリコウベ、それから蛇のぬけがら、いずれも不気味な品が雑然と所嫌わずに置いてあるのです。しかも刀剣が八口、槍が三本、鎧が二領、それらの中に交って、老人、医道の心得があるらしく、いく袋かの煎じ薬と共に、立派な薬味箪笥が見えました。
「ウフフ。これは少々恐れ入った。