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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁

青空文庫

――すなわち、わたしは、陳なにがしという支那料理屋をそこへ書きこんだ。

半月ばかりまえ、久しぶりでそこを通ったとき、わたしは、なおその支那人の耳掃除の仕事をつづけているのをゆくりなく発見した。

わたしは涙ぐましさを感じた。

鯛煎餅のあとに出来たのが日本館である。

*

その浅倉屋の路次、十四五年まえまでは、さびしい、補綴をしたような路次だった。

道幅がせまく、しばらくは、両側に、浅倉屋の台所口と尾張屋という蕎麦屋の台所口とがつづき、その尽きたところに、右には同じく浅倉屋の土蔵、左には女髪結のうちがあった。――その女髪結のうちの前に灰汁桶の置かれてあったことを不思議に覚えている。

土蔵の隣に、間口の広い、がさつな格子の嵌った平家があった。そこには出羽作という浅草でのばくちうちが住んでいた。――三下が、始終、格子を拭いたり、水口で洗いものをしたりしていた。

道をへだてて井戸があり、その井戸のそばに、屋根を茅で葺いた庵室のようなものがあった。露の宿という言葉を思わせる草深さがあった。――横山町のある大きな小間物屋の隠居が余生をそこに送っていた。

その隠居、小柄な、尼のような感じを持ったおじいさんだった。