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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
――そういうしだいと分ったとき異議なくわたくしは承知しました。で、その晩、同人一同、轡をならべて出陣したのが深川の不動さまの境内の金鍔や……何とかいう講茶屋の奥座敷で毎月開かれる或秋声会系の運座でした。
こまったことにその晩、われわれ一同、はじめてその他流試合に大へんな成績をあげました。五十人近くあつまったその晩の人たちをものの美事に蹴散らして、ふんだんにおのおの景物の葉書をせしめました。その仲間の一人の伯父さんの驚きはいうまでもなく、一座挙って、それこそ床の間のまえに居流れた有名な先生たちまでこの若い闖入者の群の上に怪訝の眼をそそぎかけました。われわれの得意おもうべしです。――ということは、哀れにもそれが病みつきとなり、それからというもの、毎月欠かさず、どんな雨のふるときでも風の吹くときでも一同手を携えて出席しました。そうしてふんだんにいつも葉書を稼ぎました。さきの人たちにしたらどんなに苦々しく思ったでしょう。……だって、あなた、その運座へ来る人たちはそんな三十台から四十台の人たちばかり、その仲間の一人の伯父さんだの、いつもその床の間のまえに居流れる有名な先生たちだのにいたっては、みんな五十、六十という年配の人たちばかりだったんですから。