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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
四
と、しずまり返るだろう。……町の干潟に、あるいは、かげろうが立ち、あるいは、落葉がはしるだろう。
それならまた、それでいい。……それでいいから、とてものことに、“……古へ、松、桜、榎等の列樹、路を夾でありしを以て名くと云ふ”とある並木町のむかしに、もう一度、返したらどうか?……浅草にだって、一トとこ位、無表情なビルディング街の、そうした清浄な文化的風景があってもいいだろう……
四
浅草に地下街ができたという……
それを思いだして、ぼくは、南側から北側にふたたび移り、多分、そのあたりだろうとおもう見当に入口をさがした。
果して、あった。……松屋のまえの、円筒状の広告塔の下についているポツンとした階段……それがそうだった。
ネオンのひかりのみなぎった中に、洋服生地の店、毛糸の店、アルバムの店、靴の店、甘栗の店等が、お手々を膝に、といった恰好に、何か、とり澄まして並んでいた。……時間の加減か、たまたま、どこの店のまえにも、さらに客のかげのさしていなかったことが、ぼくに、閑古鳥が鳴くといわれた、むかしの流行らない勧工場をおもい出させた。
――おや?
と、ぼくは、おもわず足をとめた。