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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁

青空文庫

の裏の芸妓新道をわたしたちは抜けました――行きは三人ですから何のこともなかったものの、『夜学』の暗いランプの下で一二時間すごしたあと、待合せて同じ方角へ帰るものばかり六七人、その同勢で再びその新道を抜けるとき、必ずそのなかの一人が『草津』の離れの、ほの明るく燈火のかげのさしている障子めがけて石をぶつけました。それと一しょに、わたしたちは、大通りさして一散に、呼吸もつかずに逃げました。――そうしたいたずらを毎晩のようにつづけました。」

「草津」といえば公園切っての大きな料理屋である。――「大きな」という意味は「資本主義的色彩のそれほど濃厚な」というほどの意味である……

「……が、秋の深くなるにつれてそれもいつとはなしに止みました。草津の離れにも燈火のみえない晩がだんだんとふえました。――両側にしつッこく立並んだ同じような格子づくりのうちの、土間のうえに下げた御神燈のかげがいたずらに白く更け、どこからともなく聞えて来る三味線の音じめがすでに来た夜寒のさびしさを誰のうえにも思わせました。」

そのころ「米久」の向っ角に、当時はまだめずらしかった支那料理屋が出来た。