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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁
十八
「そこに何してるんだ。お前に用はない。あっちへ行っててくれ。」
と慳貪に逐っぱらわれ、彼女も度を失い、すごすご台所へ立って行くのであった。
ちょうどそれと前後して、抱えの栄子が弁士の谷村天浪と深くなり、離れがあいていたところから、そこを二人の愛の巣に借りていたのて、藤本も人の出入りがしげくなり、若い弟子たちやファンの少女たちが頻繁に庭を往来し、そこに花やかな一つの雰囲気が醸されていた。
「あんなの幸福な恋愛とでもいうのかしら。」
銀子は思った。彼女は映画は飯より好きだったし、大学を中途で罷めただけに、歴史の知識があり、説明に一調子かわったところのあるこの弁士にも好感はもてたが、その雰囲気に入るには、性格が孤独に過ぎ、冷やかな傍観者であった。
何よりもせっかく入れた師匠に意地がなく、銀子の顔色をさえ見るというふうなので、世間への障壁にはなっても、銀子自身の守りにはならなかった。
十八
銀子はある暑い日の晩方、今そこの翫具屋で買ったばかりのセルロイドの風車を赤ん坊に見せながら、活動館の前に立って、絵看板を見ていると、栗栖の家の婆やがやって来て、銀子を探していたものと見え、今お宅へ行ったらお留守で、赤ちゃんを抱いているから、どこか近所にいるだろうというから見に来たが、