輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁
八
八
小菊が開けてまだ十年にもならないこの土地へ割り込んで来て、芸者屋の株をもち、一軒の自前となり、辿りつくべき処へ辿りついて、やっとほっとした時分には、彼女もすでに二十一、二の中年増であり、その時代のことで十か十一でお酌に出た時のことを考えると、遠い昔しの夢であった。
松島という紐ともいえぬ紐がついていて、彼女の浅草での商売は辛かったが、松島も気が気でなかった。しかし堅気にしておけばおいたで、目に見えない金が消え、先の生活の保証のつく当てもなく、ゴールのないレースを無限に駈けつづけているに等しかった。それに湯島時代でも経験したように、女房が嗅ぎつけ、葛藤の絶え間がなかった。何よりも生活それ自体が生産機能でなければならなかった。松島と小菊はいつもそのことで頭を悩ました。小料理屋、玉突き、化粧品店、煙草の小売店、そんな商売の利害得失も研究してみた。彼は洋服屋に懲り懲りした。次第にお客が羅紗の知識を得たこと、同業者のむやみに殖えたこと、他へは寸法の融通の利かない製品の、五割近くのものが、貸し倒れになりがちなので、金が寝てしまうことなどが、資本の思うようにならないものにとって脅威であり、とかく大きい店に押されるのであった。