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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

二十八

」

「はっきりしてるな。」

「真実よ。このごろの若い人、みんながっちりしたものよ。先生なぞには想像もされないくらい。」

「そこへ君がめそっこと来てるから。」

「それにあの人、このごろ皿洗いもしてくれないのよ。私も御飯たきしてると、本も読めなくて頭脳がぱさぱさしてしまうでしょう。いっそ別れようかと思うけれど、どう、いけない?」

「そうね。君が僕の娘だったら辛抱させるけれど。」

「そう――。」

葉子も頬笑んだ。

二十八

その一夏もあわただしく過ぎて、やがて涼気の立つころになると、持ち越しの葉子の別れ話も、急に具体化しそうになって来た。庸三は別に策動したわけでもなく、積極的に彼女を牽制しようとしたのでもなかったが、少年詩人も双方を往来し、一旦下宿へ出ることに、いつとはなし話が決まりそうになった。彼女の素振りに何か煮えきらないものがあり、いつも用心深く二道かける彼女の手もあるので、思い切って乗り出す気にもなれなかったが、どうせぼろぼろになりついでに、大詰の一役を買うのもいいと思った。

その晩庸三に差し迫った仕事があったが、にわかの電話なので、原稿紙やペンを折鞄に入れて行ってみた。