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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

「私を信用できないなんて、先生もよくよく不幸な人ね。」

葉子は言うのだったが、それかと言って、場所が場所だけに、争闘はいつも内攻的で、高い声を出して口論するということもなかった。

やがてその痔が急激に腫れあがって、膿をもって来たのであった。

庸三は傍に寝そべっているのにも気がさして、蚊帳を出ようとすると、彼女は夢現のように熱に浮かされながら、

「もうちょっと居て……。」

と引き止めるのであった。

朝になると、彼女も少し落ち着いていて、狭い露路庭から通って来る涼風に、手や足やを嬲らせながら、うつらうつらと眠っているのだったが、それもちょっとの間の疲れ休めで、彼女がある懇意な婦人科のK氏に診てもらいに行ったのは、まだ俥でそろそろ行ける時分で、痛みも今ほど跳びあがるほどではなかったし、熱も大したことはなかった。それがてっきり痔瘻だとわかったのは、その診察の結果であったが、今のうち冷し薬で腫れを散らそうというのが、差し当たっての手当であったが、腫物はかえって爛れひろがる一方であった。そこで、今日になって葉子は別に、これも日頃懇意にしている文学好きの内科の学士で、いつか庸三をつれて病院の棟続きのその邸宅へ遊びに行ったこともある院長にも来てもらうことにした。