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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

。とそう言われると青年はにわかに怯んで、すみませんと言ったきり、首を俛れてしまった。そしてその瞬間、男性的なマスタアへのハルミの信頼が強められた。

「何の話かと思ったらそんなことか。」

庸三は擽ったい感じだった。

「夜があけたらあの人をここへ呼びますから、先生から聴いていただきたいと思うんですけれど……。」

「そんな芝居じみたことは僕にはできない。」

庸三は答えた。それが苦し紛れの葉子の口実なのか、それとも相手の態度がはっきりしないので、今夜来たのを幸いに、庸三に立ち会ってもらいたいのが本心か、そのいずれだかは彼にも解らなかった。いずれにしても、青年の家柄、父親の社会的地位などから考えて、とかく誠意を欠いた葉子との結婚が、すらすら運ぶものとは思えなかったし、運んだところで長続きがするか否かも疑問であった。葉子も自身の弱点は相当計算に入れているはずでもあった。

「いけません?」

「僕はそんな厭味なことは嫌いだ。」

年齢はとにかく、園田の人格に対しても、そうしたお干渉は無駄だと思った。

するうちに時計が二時をうった。庸三は頭の心が疲れて来た。目の始終潤みがちな葉子も疲れて来た。