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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁
心の動揺を抑制する手近な方法は、下凡な彼としては、まずふらつきやすい体を抑制することにあることを、彼はだんだん学んで来たので、厳しい宗教的な戒律というほどでなくとも、日常生活を何かそういった形式に篏めこめるものなら、そうしたいという気持もありながら、ちょうど少し勤労以外の所得があったところから、二十五年封じこめられていた、貧困な結婚生活の償いをでも取ろうとするかのように、気持は吝々しながら計算はルウズになりがちであった。ぽっと出の女中の手に成った、どうにも我慢のならない晩飯も一つの原因であったが、時のジャアナリズムから見棄てられた侘しさも、とかく彼を書斎に落ち着かせようとはしなかった。しかしそうした不安な日常のあいだにも、逗子で起こったこのごろの事件から、うみただれた肉体にメスが当てられ、重苦しい苦悩の下から、燃えのこりの生命が燻り出したような感じで、今まで余所事のように読みすごして来た外国の作品などに、新らしい興味を覚え、もしも余生がこの先き十年もあるものなら、出直してみたいという欲望も、頭を持ちあげて来た。
それに庸三は、最近裏の平屋を取り払って、その迹へ花畑や野菜畑を作ったり、泉水に水蓮や錦魚を入れて、藤棚を架けたりした。