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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁
庸三は若い記者の思いやりを、一応感謝はしたものの、擽ぐったくもあった。にわかに庸三は憂鬱になった。
「これじゃ何だか葉村君の呑込みがよすぎたようだ。」
「葉子さんに気の毒ですよ。それに毒の花なんて出ているけれど、これはボオドレイルのあれだけれど、意味が全然違いますよ。」
そのころ庸太郎はその詩人の悪魔主義にも影響されていた。行動にもそれが窺われた。
しかし庸三は綺麗事で済まされないことも感じていたので、目を瞑るよりほかなかった。
小夜子は興味がなさそうに、やがて仏壇を離れて来ても、その問題には触れようともしなかった。ずっと後に気のついたことだが、小夜子はそのころすでに彼の子供の友達であった。
二三日してから、ある晩もまた庸三は小夜子の家で遊んでいた。
彼はそこで落ち会ったジャアナリストの一人と、川風に吹かれながらバルコニイへ出て、両国から清洲橋あたりの夜景を眺めていたが、にわかに廊下へ呼びこまれた。
「先生お電話ですよ、葉子さんですよ。」
このごろここへ来て手伝っている、小夜子の姪が低声で言うのであった。
「居ると言った?」
「え、坊っちゃんが……。」
庸太郎が帳場にいたのだった。