輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁
昨夜連れこまれた時から、庸三は何か胡散な気分をこの家に感じていた。ずっと後になってからここのお神の口から洩れたことだと言って、そのころ葉子は例の外科の博士をここへ連れこんで来たものだが、他にも若い人と一緒にタキシイを乗りつけたりした。庸三はこの家が彼以前の葉子の愛人の遊び場所だことは、連れて来られた瞬間に気づいたことだったが、そこまで恥知らずの彼女とも思わなかった。しかし、彼は女中やお神に顔を見られるのがいやさに、わざと葉子を床の前にすわらせて、自身は入口を後ろにしていた。入口の襖の縁に内から錠がかかるような仕掛になっていたが、部屋は物堅い感じの野暮くさいもので、何の風情もなかった。
残暑はまだ哀えなかった。煽風器はもう片寄せられて、床の籠花生けに秋草が插されてあったが、庸三は心も体も疲れていた。鏡を離れた葉子はしろしろした頬に淡紅い紅を差して、昨夜の泣き濡れた顔とは、まるで見違えるようになっていたが、額に悲痛な曇りを帯びていた。
やがてトオストに二皿ばかりの軽い食事を取った。
「これから新聞社へ行ってね。」
「そうね。行ったところで恥の上塗りをするようなことになるんじゃないかと思うけれど。