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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁
」
いつも庸三の予感に上って来る存在が清川でありはしたが、金をもって師匠をおとずれた時から、その予感はひとまず消えてしまったのであった。庸三はにわかに興奮を感じ、なお硝子戸の引いてある手摺に靠れて、順々に荷物の積まれるのを見ていたが、小池の采配ですっかり積みこまれ縄がかけられるのを見澄ましてから、煙草を一本取り出して喫しはじめ、車の引き出されるのを待っていた。この期になって、にわかに金も惜しくなったが、 二人の顔も見たかった。庸三は車の動く方嚮を見澄まし、少し間をおいてから下へおりて行ったが、外へ出てみた時には、荷車はすでに水道橋から一つ橋へ通う大道路を突っ切っていた。
その辺は庸三も葉子と一緒に、しばしば自動車を乗り棄てたり、呼び止めたりしたところで、夜おそくそのころ売り出しのブロチンやパンを買いに出たのもそこであった。
一二町の距離をおいて、庸三は見え隠れに従いて行ったが、車の後になり先になりして、従いて行くのは葉子のトイレット・ケイスをぶら下げた少年詩人ばかりではなく、鷺のように細い脚をした瑠美子もいたし、お傅の北山も片手に風呂敷包をもち、片手に瑠美子を掴まらせて、あっち寄りこっち寄りして、ふざけながら歩いていた。